この記事でわかること
- 論文をAIに入力する前の利用条件の確認
- 全体像・要旨と図表・段落・自己要約の4ステップ
- 原文照合と論文の引用、AI利用申告の区別
「ゼミで英語論文を読むことになったけど、1本読むのに何日もかかる」。そんなとき、全文をAIに翻訳させたくなりますよね。
訳文だけでは論点を整理しにくいと感じたら、読む順番を変えてみる方法があります。この記事では、AIを「翻訳機」ではなく「読むための案内役」として使う手順を紹介します。特定のサービスに依存しない手順の提案です。利用するAIで、対象ファイルや図表を読み取れるかを先に確認してください。
始める前に:論文をAIに渡してよいか確認する
論文のAI利用条件は、出版社などにより異なります。たとえば九州大学附属図書館の案内でも、生成AIでの利用は出版社によって許諾状況・条件・方針が異なると説明しています。所属大学の図書館の案内と、論文の利用条件を確認してください。無料で読めることや短い抜粋であることだけで、AIへの入力が許可されるとは判断しないでください。不明な場合は入力を控えて図書館に相談し、自分で作った読書メモを使って問いを整理する方法も検討しましょう。
授業でのAI利用ルールも忘れずに。確認の仕方は大学の生成AIルールの確かめ方にまとめています。
ステップ1:全体の「地図」をつくる
最初に、論文が何を問い、どんな方法で、何が分かったのかをつかみます。細かい訳より先に、全体像を知るのが目的です。
添付した英語論文について、日本語で次の4点を簡潔にまとめてください。①研究の問い、②使った方法とデータ、③主な結果、④著者が認めている限界。それぞれ、根拠となるセクション名も示してください。論文に書かれていないことは推測せず、「記載なし」としてください。
返ってきたまとめは、あくまで読むための目安です。セクション名を手がかりに、該当する部分の原文を自分で見ていきます。
ステップ2:アブストラクトと図表を自分で読む
アブストラクト(要旨)と図表は、AIに頼らず、まず自分で読んでみてください。分からない単語だけを調べ、1文ずつ意味を取ります。ステップ1のまとめと比べて、合っているか確かめるのもよい練習になります。
図表の読み方が分からない場合は、AIに説明を依頼して原図と照合する方法があります。以下の「Figure 2」は例なので、実際に確認したい図番号に置き換えてください。
Figure 2の縦軸と横軸が何を表しているか、この図から読み取れることを説明してください。読み取りの根拠になる本文の該当箇所も示してください。図や軸の文字を読み取れない場合は推測せず、読み取れないと答えてください。
ステップ3:分からない段落だけを深掘りする
入力が許可されている範囲で、つまずいた段落に絞って質問します。
以下の段落の意味がつかめません。まず、この段落で著者が言いたいことを日本語で2文にまとめてください。次に、理解の鍵になる専門用語を3つ選び、この論文の文脈での意味を説明してください。最後に、直訳に近い日本語訳をつけてください。
段落:[ここに貼り付け]
要点→用語→訳の順に確認し、どこが分からなかったのかを自分のメモに残してみてください。
ステップ4:自分の言葉で要約して、確認してもらう
最後に、論文の内容を自分で日本語にまとめ、AIに照らし合わせてもらいます。ゼミの発表やレポートで使う前に、理解のずれを見つけるための作業です。
以下は、添付した論文について私が書いた要約です。論文の内容と比べて、誤解している点や抜けている重要な点を指摘してください。私の要約は書き直さず、指摘だけをしてください。
要約:[ここに入力]
AIを使うときの注意点
数字と引用は必ず原文で確かめる
AIのまとめには、論文にない数字が混ざったり、結果を言い過ぎたりすることがあります。レポートやスライドに書く数字、引用する文は、必ず原文のページで確認してください。確かめ方はAIの回答が正しいか確かめる方法でも紹介しています。
引用するときは論文そのものを出典にする
論文の主張やデータをレポートで使うときは、自分で原文を確認した論文を出典にします。AIの利用申告が必要な場合は、それとは別に記載してください。著者名、発表年、タイトル、掲載誌などを、論文のページから正確に写しましょう。
複数の論文を読むなら
同じテーマの論文を何本も読むときのツール選びは、利用条件を確認したうえで検討してください。使い方はNotebookLMの活用ガイドを見てください。論文を探す段階なら、PerplexityやDeep Researchの記事も参考になります。
まとめ
この記事では、「地図をつくる→自分で要旨と図表を読む→つまずいた所だけ聞く→自分で要約して確認する」という読み方を提案しました。次に読む論文で、まずはステップ1のプロンプトを試してみてください。



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