【2026年版】ESのAI添削、どこまで任せる?「自分の言葉」を残す使い方

就活・ES

この記事でわかること

  • AIに丸投げせず、自分の材料を引き出す使い方
  • エピソードメモと質問用プロンプト
  • 応募先のルール・個人情報・事実確認の注意点

「AIにESを直してもらったら、文章はきれいになった。でも、読み返すと自分が書いた気がしない」。そんな経験はありませんか。

就活でAIを使うのは、もう珍しいことではありません。マイナビの調査では、2027年卒で就職活動にAIを使ったことがある学生は84.9%。使い道でいちばん多かったのは「ESの推敲」で、71.8%でした(マイナビ「2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>」、2026年4月調査)。

ほとんどの人が使っているなら、差がつくのは使い方です。この記事では、AIに添削を頼む前に自分で準備しておきたいことと、ESの材料を引き出すためのプロンプトを紹介します。下書きができたあとの本格的な添削には、当サイトで公開しているES添削AIの指示書が使えます。

AIに「書かせた」ESは、なぜ伝わらないのか

「ガクチカを400字で書いて」と頼めば、AIはそれらしい文章をすぐに返してくれます。ただ、渡した材料が少ないほど、AIは誰にでも当てはまる言葉ですき間を埋めます。「主体性を発揮し」「チーム一丸となって」「〜という学びを得ました」。どれも間違いではありませんが、読んだ人の記憶には残りません。

学生もこの点には気づいています。マイナビが2026年5月に行った調査で、ESは必要ないと答えた学生に理由を聞いたところ、最も多かったのは「AIの活用により文章が均質化しやすく、見極めが難しくなるから」(66.3%)でした(マイナビ「2027年卒 大学生キャリア意向調査5月<エントリーシート>」)。

一方で、企業がAIの利用を一律に嫌っているわけではありません。マイナビの企業調査(2025年卒の採用)では、学生に生成AIを「利用してほしい」と答えた企業が57.7%ありました。ただし、この数字には「使い方を慎重に検討したうえで活用してほしい」という回答も含まれています(マイナビキャリアリサーチLab「生成AIがもたらす就職活動の変化」)。

大事なのは、AIを使ったかどうかより、書いてある中身が本当に自分のものかどうかです。面接ではESをもとに質問されます。自分で説明できない文章を出して困るのは、面接の場にいる自分です。

AIを使う前に確認しておきたい2つのこと

応募先にAI利用のルールがないか

募集要項やマイページ、よくある質問で、生成AIの使用について案内している企業もあります。書かれていれば、それに従ってください。何も書かれていなくても、提出した内容に責任を持つのは自分です。迷ったときは、採用担当に問い合わせるのがいちばん確実です。

個人情報や、ほかの人の情報を入れない

ESの下書きには、自分の氏名や学籍番号だけでなく、サークルの仲間やバイト先の人が出てくることもあります。AIに貼る前に、名前は「Aさん」、団体名は「所属サークル」のように置き換えておきましょう。個人情報保護委員会も、生成AIサービスに個人情報を入力するときの注意を呼びかけています(個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」)。入力した内容がどう扱われるか、学習に使わせない設定があるかは、使っているサービスの規約や設定画面で確かめてください。

添削の前に「エピソードメモ」を自分で書く

添削の出来は、AIに渡す材料でほぼ決まります。きちんとした文章でなくてかまいません。まずは次の5つを箇条書きで書き出してみてください。

  • 状況と課題:いつ、どこで、何に困っていたか
  • 原因の見立て:なぜその問題が起きていると考えたか
  • 自分の行動:チームではなく「自分が」何をしたか。誰に、何を、どのように
  • その行動を選んだ理由:ほかのやり方ではなく、なぜそれにしたのか
  • 結果と周りの反応:何が変わったか。数字は自分で確かめられるものだけ

特に大事なのは「原因の見立て」と「選んだ理由」です。何をしたか、どうなったかは、ほかの学生と似てしまいがちです。でも、なぜそう考え、なぜその方法を選んだかには、その人らしさが出ます。ここが空いたままだと、どんなに添削しても中身は薄いままです。

材料を引き出すプロンプト2つ

ここで紹介するのは、下書きを書く前と、書いた直後に使うプロンプトです。AIに文章を書いてもらうのではなく、自分の頭の中にある材料を引き出すために使います。[ ]の部分は自分の内容に置き換えてください。

① 設問が何を聞いているのかを整理する

書き始める前に、設問に答えるための軸を決めます。「学生時代に力を入れたこと」と「困難を乗り越えた経験」では、同じエピソードでも力を入れて書く部分が変わります。

ESの設問は「[設問文]」、字数は[字数]です。この設問に答えるには、どんな要素を書く必要があるかを整理してください。そのうえで、私のエピソードメモのどの部分が使えそうか、足りない情報は何かを指摘してください。文章は書かず、箇条書きで返してください。企業が何を評価するかは断定せず、設問文から読み取れる範囲で答えてください。
エピソードメモ:[ここに入力]

② 書き直させずに、分かりにくい点を質問してもらう

下書きができたら、AIに直してもらう前に、読み手の立場から質問してもらいます。質問に答える形で自分が書き足すので、文章が自分の言葉のまま残ります。

あなたはこのESを初めて読む採用担当者です。以下の下書きを読んで、分かりにくい点や、もっと具体的に知りたい点を質問してください。質問は重要な順に3つまでにしてください。修正した文章は書かないでください。私が答えたら、その内容を下書きのどこに入れるとよいかだけ教えてください。
設問:[設問文]
下書き:[ここに入力]

架空例:丸投げした場合と、質問してもらった場合

以下は、使い方による違いを見るための架空の例です。実在の人物や団体とは関係ありません。飲食店のアルバイトで、新人向けの手順書を作った経験を題材にしています。

❌ 「ガクチカを200字で書いて」と丸投げした場合

私が学生時代に力を入れたことは、飲食店のアルバイトにおける業務改善です。新人スタッフの定着率に課題を感じ、主体的にマニュアルを作成しました。周囲を巻き込みながら改善を重ねた結果、店舗全体のサービス品質向上に貢献しました。この経験を通じて、課題発見力と実行力を培いました。

読みやすい文章ですが、どの店の誰が書いても成り立ちます。「定着率」や「サービス品質向上」が、本人が確かめた事実なのかも分かりません。面接で「定着率はどのくらい変わったの?」と聞かれたら、きっと答えに詰まります。

⭕ プロンプト②で質問してもらい、自分で書き足した場合

AIから「新人が困っていたのは具体的にどんな場面か」「なぜ口頭ではなく手順書にしたのか」「作ったあと、誰のどんな反応で効果を感じたか」と質問が返ってきたとします。その答えをもとに書き直したのがこちらです。

アルバイト先の居酒屋では、新人がドリンクの作り方を何度も先輩に聞き直し、混雑する時間帯に提供が止まることがありました。原因は、教える人によって手順が違うことだと考えました。そこで店長に相談し、注文の多い15品の手順を写真付きで1枚にまとめました。忙しいときでも、新人が人に聞かずに自分で確認できるようにしたかったからです。その後に入った新人から「聞かなくても作れました」と言われ、取り組んでよかったと感じました。

文章としては素朴ですが、場面が目に浮かびます。面接で聞かれても、自分の経験として話せる内容です。「15品」「写真付きで1枚」のような具体的な情報は、AIではなく本人しか持っていない材料です。

下書きができたら、指示書で本格的に添削する

材料がそろった下書きは、ここからが仕上げです。ただ、AIに「添削して」とだけ頼むと、語尾や言い回しを整えて終わることがよくあります。設問に答えているか、行動と成果がつながっているか、といった中身まではなかなか見てくれません。

そこで当サイトでは、AIに採用担当者の目線で添削してもらうためのES添削AIの指示書を公開しています。この指示書を使うと、AIは次のように添削を進めます。

  • 日本語より先に、設問に答えているか、主張が一つに絞れているかを見る
  • 経験や数字を勝手に作らず、分からない部分は「〇人」のように空けて、何を書けばよいかを示す
  • 書き直して貼り直すと、前回からどこが良くなったかを比べて見てくれる

ChatGPT・Gemini・Claudeのどれでも、無料で使えます。この記事で作ったエピソードメモや下書きを、そのまま渡してみてください。

よくある質問

AIを使ったことは企業にバレる?

文章だけで見分けられるとは限りません。先ほどのマイナビの企業調査でも、学生のAI利用を実感していると答えた企業は、2025年卒の採用で12.3%でした。ただ、だからAIに書かせてもよい、という話にはなりません。同じ調査では、企業の対応として「面接での質問内容を工夫する」と「エントリーシートの内容を精査する」がどちらも21.3%でした。ESと面接で話す内容がかみ合わなければ、AIを使ったかどうかに関係なく評価は下がります。

AIが書いた文章をそのまま出してもいい?

企業がAIの利用を禁止しているなら、使えません。禁止されていない場合でも、事実と違う内容や、自分で説明できない表現が入った文章をそのまま出すのはおすすめしません。材料は自分で用意し、AIには質問や整理、添削を手伝ってもらう。この分担のほうが、面接まで考えると安心です。

まずはエピソードメモから始めよう

AIはESを読みやすくしてくれますが、エピソードの中身までは作れません。次に出すESのために、まずはエピソードメモの5項目を書き出してみてください。プロンプト②で質問してもらうと、自分でも忘れていた具体的な場面を思い出せるはずです。

下書きができたら、ES添削AIの指示書で仕上げましょう。AIツールの基本的な使い方は、大学生のためのChatGPT活用ガイドやGeminiの大学生向け活用ガイドで紹介しています。

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